インバー合金の謎が128年経ってついに解明される!

2023-07-31 | News

 合金界にとって大きなニュースが飛びこんで来ました。インバー合金のメカニズムが解明されたというのです。                                          金属や木材などは温度が上がれば膨張し温度が下がれば収縮するのが特徴です。しかしインバーはこの熱膨張をほとんど起こさない合金です。インバー合金の材料は鉄とニッケルというありふれたものですが、ある一定割合(鉄64%ー36%)で合金化すると不思議なことに熱膨張が起きない合金に変身します。(よく見るとこの数値は黄金比まではいきませんが16:9になります)

 様々な温度帯でも膨張しないため半導体の装置や望遠鏡、大型タンカーなどで重宝されていますが、この膨張しないという現象は1895年(128年前)に発見されて以来これまで、メカニズムが一切解明されてきませんでした。なぜ、この比率で造られたインバーは膨張しないのか?この謎を128年の時を経てついに解明したのが、カリフォルニア工科大学の材料学者プレトン・フルツ博士の研究チームだそうです。実はこうしてメカニズムの解明が進んでいない物質(金属や合金など)は他にも多数あります。例えば銅の超抗菌作用は古代より伝えられてきましたが、そもそもなぜ銅に抗菌作用が働くのか?というメカニズムとなると、ようやく解明され始めたのはここ最近(20世紀後半)です。しかも今もって確実な根拠はないと言われています。開発も難しいのですが、解明するのもまた難しい、それが合金の世界です。インバーの謎解明については以下のGigazineの記事をお読みください。

https://gigazine.net/news/20230728-alloys-no-change-size-heated/

 ところで、インバーは鉄とニッケルを一定配合した合金ですが、鉄と銅の合金であるMTA合金もおそらくインバーのように、ある一定割合下で特別な現象が起こるのでは、と期待されています。何が起こるのかは未知なる世界ですが、合金にはこのような現象がたびたび起きるそうで、MTA合金にもその期待が寄せられているというわけです。今回のインバーのメカニズム解明が今後のMTA合金の研究開発に役立つ日が来るかもしれません。

ベリリウム銅代替の鉄合金金型材「MTA-FeX2」、非鉄と鉄を溶接する魔法の溶接棒「MTA-YB5」は当ホームページからどうぞ。             鉄から造る銅合金で未来を変えるーMTA合金の挑戦は続きます。

お電話はこちら