MTA-S【銅ステンレス】

超抗菌作用が働くステンレス誕生!

キッチンや食器、車や病院、身の回りの様々なところで使われているステンレスですが、実はステンレスにはほとんど抗菌作用がありません。成分上、抗菌作用が働く金属が混ざっていないからです。抗菌作用が働く金属といえば主に銅と銀。MTAが開発した鉄と銅の合金技術を使い、鉄が主成分であるステンレスに銅を10%以上添加した銅ステンレス「MTA-Sシリーズ」の開発に成功しました。

銅ステンレス(鋳造)

– MTA-S10 / 20 –
【成分】Fe-10Cu(20Cu)-15Cr

超抗菌ステンレス
「MTA-Sシリーズ」誕生

「銅」と同レベルの抗菌作用

銅ステンレスは見た目はステンレスとほぼ変わりません。銅はわずか10% ~ 20%しか混ざっていませんので、ほとんど銀色をしています。

ところが、たった10%の銅の影響で、これまで殺菌効果がなかったステンレスに抗菌作用が働くことが判明しました。もちろんステンレスの特性である錆びにくさも維持したままです。

表面比較

ステンレス(SUS430)との比較

MTA-S10から試作した板材とステンレス(SUS430)の表面を比較しました。どちらも見た目は同じステンレス色をしていますが表面を拡大するとご覧の通り大きく違います。

赤が鉄(Fe)、青がクロム(Cr)、そして緑が銅(Cu)です。MTA-S10の表面上に銅の粒子が微細に広がっているのがわかります。この微細な銅と鉄の電位差で自然発生するOHラジカルが超抗菌作用を働かせていると考えられています。

MTA-S10
3000倍SEM画像
SUS430
5000倍SEM画像

MTA-S10の抗菌作用

環境に優しい抗菌材

MTA-S10の抗菌作用のメカニズムはまだ未解明な部分もありますが、成分内の銅と鉄の電位差が働くことで強酸化力で知られるOHラジカルが発生し、それが例えば水中などを常時飛び回りバクテリアをDNAから破壊・殺菌しているという可能性が指摘されています。

OHラジカルは銅の超抗菌作用と同じくコロナ、インフルエンザ、O-157大腸菌、黄色ブドウ球菌など、風邪や食中毒の原因となる細菌やウィルスをDNAから破壊・殺菌することで知られています。一方銅が細菌類などと直接接触した際もH2O2(OHラジカルの前進)が発生するという研究論文もあります(2003:山口大学:1B族遷移金属板表面の抗菌性の解析)。そこでは「銅と細菌との直接接触によって極短時間内に生成するH2O2の殺菌力と、銅が細菌液に触れて溶解してできる銅イオンによる酸化力との共同効果により、銅の細菌に対する抗菌性効果が大きくなる」とも指摘されています。

MTA-S10の超殺菌力

自然発生するラジカル効果で超抗菌効果

コロナウィルス、インフルエンザ、O-157、ノロウィルス、サルモネラ菌、レジオネラ属菌などを不活化

異なる温度、湿度帯でも殺菌抗力が劣らないため銀より抗菌性が高い

超殺菌作用イメージ
日本銅センター発行の認証書

JCDA認証マークも取得!

日本銅センター発行のCUSTARを取得しました。MTA-Sシリーズはステンレスに銅が10% しか含有されていないにも関わらず、純銅並みの超抗菌性能が作用します。

「Cuスター」は抗菌製品に付与される「SIAA」の認定基準よりはるかに厳しい審査基準値が設けられています。

抗菌反応実験

三重大学・翠川裕医学博士による
サルモネラ菌を可視化した抗菌反応実験(特許)

どれだけ早くウィルスや細菌を殺せるか。                 JIS規格によるZ-2801という抗菌試験は24時間で菌をどれだけ殺すかを調べる試験です。三重大学の翠川博士は「抗菌作用がどれだけ早く作用するか」に特化した実験方法「サルモネラ菌を用いた殺菌性の可視化」を開発し特許を取得されました。

当実験においてMTA-S10と他の金属を比較した結果、MTA-S10が純銅や黄銅並みに抗菌の即効性があることが分かりました。

【検証】
サルモネラ菌と硫化水素を使った抗菌作用の可視化検証。5分・10分・20分・30分ごとにサルモネラ菌の減少度合いを測定。

【結果】
MTA-S10は5分以内にサルモネラ菌が消滅。SUS430とAg・銀は少なくとも30分間、菌の消滅は見られなかった。

「MTA-Sシリーズの抗菌性」についての研究論文が発表

2023年3月4日、日本衛生学会において翠川博士による銅ステンレス「MTA-Sシリーズの抗菌性」についての研究論文が発表されました。実証実験には博士が開発した「サルモネラ菌を用いた殺菌性の可視化(特許)」が使われ、MTA-Sシリーズが純銅と同等の超殺菌効果ならびに即効性があることが証明されました。

翠川裕

翠川裕

医学博士

– 略歴 –
三重大学医学系研究科リサーチアソシエート
日本衛生学会評議員・専門職検討委員
JICA国際緊急援助隊医療チーム医療調整員
元国立国際医療研究センター客員研究員
元東北大学金属材料研究所共同研究員

私は、柴田社長からMTA合金が開発したMTA-S(銅ステンレス)が10%の銅を含むと説明された直後、抗菌性を同合金が有する可能性を直感し、提供されたサンプルで自身の所有特許(特許6406875 抗菌性検査方法)技術で検査してみました。
その結果、このMTA銅ステンレスの抗菌性が非常に高いことが証明されました。これまで、巷では抗菌性を謳う製品が多数市販されていますが、ほとんどが上記特許技術では証明できませんでした。
しかし、MTA合金の銅ステンレスは、この特許で証明された数少ない抗菌製品の一つです。銅含有率が10%であるのに純銅と同じレベルの抗菌性があることに驚いております。従いましてこの合金は、コロナを含む病原微生物による感染症の予防に寄与することが確実です。
例えば、注射針、鍼灸針やクリーンベンチといった医療器材、肉や魚を調理数厨房関連器材などへの応用が揚げられます。さらには下水処理場や農業用水などで用いられる防藻対策の銅板の代わりとしても大きな期待がかけられます。
抗菌性の無いステンレスから抗菌性のあるMTA合金銅ステンレスに置き換えることで、生活のQOLを高めることが可能となります。ぜひこの製品が広く普及され、世界中の衛生環境が改善され少しでも多くの命が救われることを切に願っています。

サンプル販売中

MTA-S10  銅ステンレス抗菌粉末

現在MTA-Sシリーズでサンプル販売を開始したのがMTA-S10を水アトマイズした粉末です。
新しい抗菌材として超殺菌効果を付与した製品開発に是非お試しください。

銅ステンレスメタルパウダー
MTA-S10 11μm

銅の超抗菌力とステンレスの耐食性を兼ね備えた金属微粉末

MTA-Sパウダーはアトマイズ(粉末化)した際に、成分がそのままの状態で粉末化されています。
つまり数ミクロンの微粒子1粒1粒の成分が銅ステンレスの成分であるFe(鉄)Cu(銅)Cr(クロム)で構成されています。
粉末になったからといって分離しているわけではありません。

区分 MTA-S10 MTA-S20
成分 Fe-10Cu-15C Fe-20Cu-15Cr
粒度D50 11μm 7μm
酸素濃度 0.2% 0.4%
MTA-S10 / 20 パウダー

サンプルワークはじめています

銅ステンレス粉末を使った
次世代の抗菌半製品の開発が進んでいます

MTA-Sシリーズはセラミックやシリコン、プラスチック、ゴムなどに含有させることで、純銅と同レベルの抗菌作用が得られます。現在当粉末を使用した様々な抗菌製品の開発が進められています。ご興味ある製品がございましたらお気軽にお問い合わせください。

マスターバッチ
シリコンゴム
粉末焼結抗菌フィルター
コルク

MTA-S10/20を配合した新しい抗菌マスターバッチ
超抗菌作用が必要なプラスチック製品の開発に!

PEにMTA-10を20%配合
O-157、ノロウィルスなどを軽々撃退

【抗菌活性値(JIS-Z2801試験)】
大腸菌:6.3
黄色ブドウ球菌:4.8

【試作実績】
PE・ABS・PC

【こんな製品にいかがですか?】
・真の抗菌作用が必要なプラスチック製品の開発
・高齢者施設や病院で内で使用する抗菌製品の開発

【OEM承ります!】
お気軽にご相談ください。

色付き殺菌プラスチックペレット

【サンプル】殺菌プラスチック(ABS)ペレット(MADE IN KOREA)
【特徴】ABS + S20 Powder 高殺菌力、RoHS認証済み
【適用分野】エアコン、冷蔵庫、掃除機、家電製品(TV, PC, Mobile etc)の  殺菌プラスチック部品 / 海洋造船機資材分野

シリコンゴム SGS10
区分 内容
選択可能
比重 1.23±0.03
硬度 60±5
引張強度 91.6Kgf/cm³
伸び 385%

MTA-S10金属粉末をシリコン、ゴムに配合
銅と同等の超抗菌作用を発揮!

こちらは海外産のオリジナルシリコンゴム(SGS10)にMTA-S10を含有させて試験したものです。

SGS10は圧縮変形が低く優れる機械特性を持っています。RoHS有害物質制限指針試験済み(有害物質は含まれておりません)。

【抗菌活性値】
MRSA:4.3
緑農菌:5.9
サルモネラ菌:4.8
※耐性菌はもちろんで黒カビの抑制にも効果を発揮します。

【こんな製品にいかがですか?】
・キッチン周りやサニタリー、医療、食品分野での製品開発
・排水溝のぬめり対策製品

【OEM承ります!】
様々なゴム素材にMTA-Sシリーズを練り込んだ試作をゴム製造会社様ご協力の元承ります。お気軽にご相談ください。

MTA-S10パウダーを焼結した多孔質合金フィルター

 

福岡の老舗温泉で基準値の約3700倍ものレジオネラ菌が検出された事件がありました。温泉施設は厳しい衛生管理基準があるものの、塩素で対策するしか方法がありません。塩素の匂いが嫌いな方もおられる中、これからの衛生対策の選択肢の1つに銅ステンレスを使った銅イオンによる殺菌はいかがでしょうか。

【こんなメリットがあります!】
・水や空気が通るだけで超強力抗菌作用が働く
・ぬめり(バイオフィルム)にも効果絶大
・冷却水や温泉などの循環水や空気清浄機のフィルターなどでの超抗菌作用

【OEM承ります!】
お気軽にご相談ください。

銅ステンレス抗菌フィルター
(株式会社長峰製作所様提供)

銀と銅の抗菌作用

銀(AG+)の抗菌と銅(CU+)の超抗菌

抗菌作用の強い金属といえば、銀と銅です。日本では抗菌といえばAG+(銀イオン)を思い浮かべる人が多いかもしれません。ところが対象範囲や効果の点においては、銀よりも銅の方が抗菌作用が高く即効性や価格面でも使いやすい素材といえます。

日本銅センターでは銀と差別化する意味から銅の抗菌性を「超抗菌性」と表し普及活動を行っているほどです。銅は高温でも低温でもその力を発揮し、欧米では古くから給湯管や給水管に銅管が使用されており、2008年にはアメリカ環境保護庁が金属では初めて銅の殺菌作用を公に認定しました。

アフターコロナ時代を迎え、改めて銅の高い抗菌作用作用が見直されています。MTA-Sシリーズは銅をステンレスにわずか10%添加しただけで、純銅や黄銅と同レベルの抗菌作用が働きます。ぜひ新しい抗菌商材の開発にお使いください。

10円玉についた緑青

銅の抗菌性が普及しない理由
「緑青を食べたら死ぬ?」

金属の抗菌材と言えば日本では銀が主流です。なぜ銅の抗菌製品がなかなか普及しないのでしょうか。それは銅のサビである緑青が有害であるという間違った認識が原因です。

銅のサビである緑青は緑色でなんとなく毒をイメージさせなくもないですね。古い教科書には「緑青は体には猛毒で、食べると死ぬ恐れがある」などと当たり前のように書かれていました。実はこれはまったく根拠のない話で、昭和59年に国が「緑青猛毒説大間違いである」と認めています。しかし、一度着いたイメージはなかなか払拭することはできず、抗菌製品には銅ではなく銀のイオンを使った製品の開発が進み定着していきました。
【参考】安全な銅(一般社団法人 日本銅センター)

ところがその後、銅の抗菌作用が世界ではっきりと認められる日が訪れます。
2008年、EPA(米環境保護局)が「銅、真鍮などは人体に有害な致死性のある病原体を殺菌し、公衆衛生に効果がある」と認定したのです。実は抗菌性のある表面金属としてEPAが認めた固体材料は銅が初めてであり銀ではありません。

銅が各種病原細菌に対して抗菌作用をもつことが証明されたことから、銅業界はこれまでに400種類以上の銅合金をEPAに登録しています。
【参考】銅の超抗菌性能(一般社団法人 日本銅センター)

銀と銅
殺菌効果の違い

これらの表は、公開論文や実験を参考に、当社でまとめたものです。

環境
高温下 効果倍増 効果減少
低温下 効果維持 効果減少
低湿度 効果維持 効果減少
耐久性 高い 普通
即効性 あり 銅より遅
対象効果
バクテリア
ウィルス
細菌
菌類胞子

MTA-S
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