鉄から造る銅合金で未来を変えるMTA合金 誕生
様々な分野で使えるMulti・Tool・Alloyを目指します
MTA合金とは「合金は不可能」と言われてきた「鉄」と「銅」
「鉄」と「銅」は結晶構造や比重、融点も違います。何万通りもある合金の中で、両者は水と油のように分離してしまい事実上合金化は不可能と言われてきました。銅に鉄は3%以内、鉄に銅は1.5%以内が固溶限界です。
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比重
鉄:7.87銅:8.94
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常温時の結晶構造
鉄:BCC構造銅:FCC構造
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融点
鉄:1538℃銅:1084℃
銅に鉄は3.0%が固溶限界
鉄に銅は1.5%が固溶限界
世界で初めて量産化に成功鉄と銅の粒子を微細分散させ混晶合金に
MTA合金は長年培ったノウハウを活かし、これまでとまったく違った新しい溶解方法を開発。鉄と銅の粒子を微細に分散させ、結晶レベルで両金属を合金化させるという手法で世界で初めて鉄と銅の合金化に成功いたしました(下記写真をご覧ください)。
過去に似たような試作品がありましたが、当合金は結晶がきれいに分散されており、大気炉にて量産化できることが最大の特徴です。
鉄と銅の比率を調整することで様々な銅合金の性能を持たせることが可能なことから、マルチに使える合金-【Muiti Tool Alloy】と命名されました。

鉄と銅を混晶合金させた
地球に優しいSDGs素材銅や銅合金の高騰が進む中、MTA合金でコストダウンを
「銅」の特性は熱伝導性や導電性ですが、強度や熱、耐摩耗性が弱点です。そこで鉄という安価な素材で銅に強度を出せるのがMTA合金の特徴です。
両金属のバランス(比率)によって特性が大きく変わってきますので、その特性を活かしたとえば高価で知られる銅タングステンやベリリウム銅などの代替材の開発や強度と導電性を兼ね備えた新しい銅合金開発を進めており、形状も板材やワイヤ、粉末等を試作し企業様へご提案しております。
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MTA7300
(成分)Fe-Cu30
(用途)電極・部品 -
MTA-GP20
(成分)Fe-Cu30
(用途)電極・部品
現在当社では以下のような材料開発を進めています。一部サンプルワークも始めておりますのでご興味ございましたらお気軽にお問い合わせください。
- ベリリウム銅や銅タングステンに代わるコスト削減を可能にする電極や部品材
- 熱伝導率90W以上、表面を窒化処理して硬度が出せる金型材
- 電磁波シールドや低周波帯のノイズ除去を可能にする磁性粉末材
- 銅合金の金属3D造形を可能にする金属粉末材
- 鉄と非鉄を簡単に溶接できる溶接棒
- 銅の超殺菌効果を利用した材料
- コールドスプレーや溶射による表面への磁性付与
- 金属3Dプリンタ―によるコネクタの試作や水管構造金型の試作
この他にも、お使いの銅合金の代替材やオリジナルスペック(熱伝導や導電性と硬度)のご希望がございましたら、試作開発も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
いわば鉄から造る銅合金、「MTA合金シリーズ」はまだ完成間もないスタートしたばかりの新合金です。しかし将来は銅の消費を大きく減らし、レアメタルの調達リスクを回避し、コストも大きく削減するなど、持続可能社会の切り札となる材料として大きな可能性を秘めています。ぜひ企業様からの寛大なるご支援ご協力並びに用途開発・試作案件をお待ちしております。