EV・5G時代にふさわしい未来を変える新素材MTA合金 誕生
様々な分野で使えるMulti・Tool・Alloyを目指します
MTA合金とはMTA合金は不可能と言われてきた鉄+銅の新合金です。
「鉄」と「銅」は結晶構造がそもそも違い、また比重や融点も違います。材料の地図と言われる状態図からも、水と油が混ざらないように、鉄と銅はいくら溶解して混ぜあわせても、混じりあいません。
「鉄と銅の合金ができたらどのような特性がでるのか?」これは人類長年の疑問だったかもしれません。人類が最初に手にした金属は「銅」、続いて「鉄」が世界を支配しました。そんな昔から身近だった金属を、「混ぜてみよう」「合金にしてみよう」と考えた人がいたとしても全く不思議ではありません。
近年の記録を辿ると、鉄と銅の合金開発は戦前からアメリカやヨーロッパ、日本でも行われてきました。第2次世界大戦ではドイツとアメリカがその技術を競いあったともいわれています。そして戦後アメリカのオーリン社がついに銅に鉄を2.5%まで混ぜた「鉄入り銅=C1940」の量産化に成功し産業界を大いに沸かせました。しかしそれ以上混ぜることは事実上〝不可能〟というのがこの時以来の定説でした。
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比重
鉄:7.87銅:8.94
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常温時の結晶構造
鉄:BCC構造銅:FCC構造
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融点
鉄:1538℃銅:1084℃
銅に鉄は3.0%が固溶限界
鉄に銅は1.5%が固溶限界
世界で初めて量産化に成功不可能を可能にした特殊な溶解方法
第1弾 鉄90%+銅10%の新合金『MTA9100』誕生
MTA合金は2016年、「鉄」と「銅」の合金の開発に成功致しました。金属を溶かす「溶解」には多数の常識が存在します。しかしMTA合金はこの常識に捉われず、新しい溶解方法はないかと追求し、ついに「鉄」と「銅」を合金化させるという、オリジナルの溶解方法を完成させました。
言葉に書くと簡単ですが、これまで蓄積してきたデータや先人たちが培ってきた知見を参考にトライを繰り返すことでようやくたどり着いた溶解方法です。しかも当合金が大気溶解で製造できるという点も量産という面では大きなメリットと言えます。
MTA合金は鉄と銅の成分比率調整が可能で、比率ごとに様々な分野で役立つ銅合金となることから、マルチに使える合金【Multi Tool Alloy】の頭文字をとってMTAと命名されました。

成分 | 比重 | ||
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単位 | Fe | Cu | 7.966 |
wt% | 89 | 11 | |
vol% | 90 | 10 |
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ベリリウム銅代替材
MTA-FeX -
ガスアトマイズした
MTA9100メタルパウダー -
MTA9100
メタルパウダー粒形写真
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MTA9100メタルパウダー
X線分析写真 -
鉄のX線分析写真
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銅のX線分析写真
MTA9100メタルパウダーのX線分析写真(XRD)を見ると1ミクロンレベルで混合している。
鉄と銅の特性がバランスよく出現ベリリウム銅代替材として好評「MTA-FeX」
ベリリウム銅の代替材として展開している「MTA-FeX」は、「鉄」の持つ硬度・強度・耐熱特性といった機械特性と「銅」の持つ熱伝導や導電特性といった機能特性がバランス良く備わったハイブリット合金となっております。特に鉄系合金でありながら銅合金の性質が強いため、構造材よりも機能性材料としてのご利用がお勧めです。詳しくは製品ページの「MTA-FeX]をご覧ください。
EV・5G社会に入り銅の需要が益々高まっており、その影響で様々な銅合金が相次いで値上がりしています。これを機会に是非ベリリウム銅からの代替をお考え下さい。
MTA9100メタルパウダー
MTA9100メタルパウダーはMTA9100のインゴットをアトマイズして製造したものです。
粒形は1μから75μまでご用意。MIM、溶射、磁性材など様々な分野でお使いいただけます。
詳しくは『MTA9100メタルパウダーの詳細』をご覧ください。
MTA9100金属3Dプリンター造形サービス
MTA9100を使った金属3Dプリンター造形を承っております。
造形物の機械特性が大変優れており、現在自動車メーカー様を始め多くの企業様から試作依頼を受けております。
詳しくは『MTA9100金属3Dプリンター造形サービスの詳細』をご覧ください。