非鉄金属価格の高騰続く。
ウクライナ危機の影響で非鉄金属が断続的に高値更新となっています。元々銅やニッケルが高値圏で推移していましたが、アルミ(35%値上がり)やスズ(21.4%値上がり)も高騰してきています。当然、これらの金属から作られる銅合金などもさらに高騰してくることになり、すでにベリリウム銅や銅タングステン、リン青銅なども高騰してきています。一方で鉄は安定価格を維持しております。
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以下、鉄鋼新聞より
鉄鋼新聞 3/8(火) 配信
非鉄金属価格の高騰が止まらない。ウクライナ情勢が緊迫する中、非鉄金属価格の国際指標であるロンドン金属取引所(LME)の非鉄相場は、各品種とも上伸。アルミ・ニッケルにおいては、情勢不安を背景にした供給懸念が特に強く、年初から30%以上値上がりしている。 年初からの上昇幅は現地4日時点で、銅が年初比8・4%高、鉛が6・4%高、亜鉛が13%高、アルミが35・3%高、ニッケルが39・3%高、錫が21・4%高となった。アルミと錫はその中で過去最高値を更新した。 LME非鉄相場は投機資金の影響があり、平時は株式相場に連れる局面が多い。しかし、米株式相場などがリスク回避姿勢の強まりによって売りが先行する一方で、非鉄金属は強基調となっている。これは天然ガスや原油のエネルギー高による生産コストへの影響と対露経済制裁によるロシア産地金への供給懸念が高まっているためだ。 ロシアは天然ガスの生産量で世界2位。そして、欧州圏は発電にも使用する天然ガスの約3割を同国から輸入している。欧州では昨年秋、電力を大量に使用するアルミや亜鉛は、電力価格の高騰によって製錬所の減産・閉鎖が生じた。ウクライナ情勢に起因する発電に使用する天然ガスへの供給懸念は、エネルギー高による地金への供給懸念に拍車を掛けることとなった。 また、対露制裁によるSWIFT(スウィフト)排除など対露制裁による緊迫化は物流混乱にもつながるのではないかとの見方がある。 アルミとニッケルは他の非鉄金属と比べて高騰しているが、ロシア産地金への供給懸念が重視されている。ロシアがウクライナへの軍事侵攻を進める中、追加の対露制裁が影響するのではないかとみられているためだ。 アルミはエネルギー需給ひっ迫による減産懸念に加え、ロシアのアルミ製錬大手ルサールへの供給懸念が生じている。ルサールは世界最大手の一社であり、世界生産の約6%を占める。また、ロシアはニッケルの主要生産地でもあり、世界生産の約6%前後を担っている。錫も最高値更新が続くが、ウクライナ情勢による非鉄金属市場全体に広まる上昇圧力以外に、精製錫大手の中国広西錫業の定期修繕による製錬所稼働停止などが影響している。