MTA-HLS10
High lubrication Stainless Alloy
軸受・ブッシュは銅ステンレス時代に!
MTA合金は鉄と銅を合金化する技術を活かし、新たにステンレスに銅を合金した銅ステンレスを開発いたしました。
銅ステンレスは表面に銅が析出する特徴があるため、軸受・ブッシュ材として既存で使われている銅合金の代替材としてお使い頂くことでコストダウンが可能となります。
高潤滑!耐摩耗!安価!
世界初!
すべり軸受用 銅ステンレス
『HLS-10』
高潤滑!耐摩耗!価格競争力!
EVや風力発電、AIなどの台頭で銅や銅合金の価格は今後ますます値上がりが続きます。さらに2050年には銅は地球上から枯渇するとも言われており、限りある資源として大切に使っていかなければなりません。
HLS10は鉄が主な成分であるにも関わらず、すべり軸受やブッシュなどで使われている黄銅やリン青銅と同等の機械性能を有しており、これら銅合金の代替材として十分に使用できます。
さらに銅合金に比べ安価で、安定供給も可能、さらに耐摩耗性が高まり、鉛フリーでもあることから、代替材としては大変優秀な素材となっており、アジアは元より、欧米でも大変期待されている金属合金です。
各種銅合金との機械特性比較
機械特性 | MTA-HLS10 | HBSC | BC | PBC | ALBC | |
---|---|---|---|---|---|---|
AGING | ANNEAL | |||||
引張強度(MPa) | 650以上 | 400以上 | 755 | 195 | 295 | 590 |
耐力(MPa) | 500以上 | 310以上 | 410 | 90 | 145 | 270 |
伸び(%) | 5以上 | 15以上 | 12 | 15 | 5 | 15 |
硬度(HB) | 200~220 | 170~180 | 200 | 60 | 80 | 160 |
成分 | Fe-Cu-Cr | Cu-Zn-Al | Cu-Sn-Zn | Cu-Sn-P | Cu-Al-Si | |
融点(℃) | 1,496 | 923 | 1,200 | 1,045 | 1,050 |
適用先
発電所、水道管、ゲート、産業設備、汽車、建設機器、自動車、ポンプ、バルブ、モーター、風力発電機、船舶、工作機器、ロボット、ローラー、運送機器
※ 各種銅合金に比べHLS10は全体的に数値が高いのがわかります。
※ HLS10は調質することで硬いものから柔らかめのものまで選べるのが特徴です。
※ HLS10は磁性があるためマグネチャックに装着可能です。
HLS10 採用例
海外アクチュエーターメーカー
10トン荷重ステーム
【目的】高力黄銅の代替材
HLS10 ANNEALING | |
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硬度 | 180HB |
伸び率 | 15%以上 |
材質 | SUS+Cu |
品目 | ACTUATOR STEM BUSH |
荷量 | 10トン |
トルク | 2200kgf.m |
条件 | 無給油 |
回数 | 271回 |
ステンレスを主成分とし鉛を含まないエコ素材 |
従来使用していた高力黄銅をHLS10に代替。
実地検証により価格ダウンと耐久性の向上を確認でき、
メリットが多いことから今秋より採用となった。
海外大手鉄鋼メーカー
60トン溶解用レードルハンガー
【目的】青銅の代替材
BC(青銅)からの代替。
今後の銅合金の高騰を見据え価格面で大きなメリットがあり、
耐久性向上も採用の大きな理由となった。
耐摩耗テスト
各種試験片
HLS10、高力黄銅、リン青銅で耐摩耗比較テストを行いました。
HLS10は鋳造まま(硬度HV200)です。
テスト条件 | |
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試験方法 | ボールオンディスク |
負荷 | 1N(462MPa) |
速度 | 20Hz |
時間 | 30分 |
距離 | 2mm |
球材 | SUJ2 |
試験装置 | SRV5 |
試験所 | 公設試験所 |
備考 | オイルなし |
※ 条件によって結果に差が出ますので参考情報としてご覧ください。
摩耗テスト結果
摩擦係数
摩耗量比較
球材(SUJ2)の摩耗痕
HSBC(高力黄銅)の摩耗量を1とした場合、HLS10は約半分という結果に。
この条件でみると耐摩耗性が高いことがわかります。
内訳 | HLS10 | HBSC(高力黄銅) | PBC(リン青銅) |
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摩耗深さ | 21.11 μm | 31.12 μm | 22.71 μm |
摩耗断面積 | 11,761 µ㎡ | 21,713 µ㎡ | 13,211 µ㎡ |
摩耗比率 | 0.542 % | 1.00 % | 0.608 % |