ベリリウム銅の代替材のご案内

2024-05-15 | Metal Info

MTA-FeX2はベリリウム銅の代替材としてお使い頂けますー

発がん性物質が入ったベリリウム銅

ベリリウム銅は銅に0.5 - 3%のベリリウムを加えた合金です。成分上ベリリウムが少ない「低ベリリウム銅」と多い「高ベリリウム銅」があります。 とにかく銅合金の中で最高の強度を持ち熱伝導も優れていることから使い勝手は最高です。例えば電極や金型、精密機械の部品やバネ、コネクタ、そして電池から楽器、軍事部品、海底ケーブルなど実に様々な分野で重宝されています。

ただ、ベリリウム銅には弱点がいくつかあります。まずベリリウムという物質を含む材料には毒性があり、加工中にこれを吸入すると発がんの危険性が出てきます。そのため欧州では現在規制検討物質となっており、ほとんどの企業が使用していません。一方で日本ではその危険性があるのを知ってか知らずか、今も比較的多く使われています。

またベリリウム銅を始め銅合金は一様に高温に弱い部分もあります。高温状況で使用すると熱の影響で摩耗が激しくなりますが、ベリリウム銅は300ー500℃くらいになると脆弱しもろくなります。

現在このベリリウム銅は入手困難に材料となっており、その結果とても高価になっています。ベリリウム銅の代替材は10年ほど前から強く求められてきました。

そう簡単にはいかない硬度と熱伝導の両立

鉄と銅の合金化に成功したMTAは、まずその用途をベリリウム銅の代替材に絞りました。強度のある鉄に銅の熱伝導が加われば、ベリリウム銅の代替材になると考えたのです。しかし強度を熱伝導を両立する「鉄」の開発は想像以上に難儀しました。原子の構造や融点が違う鉄と銅がそう簡単には仲良く性能を分かち合ってはくれなかったのです。

しかし開発から5年、開発グループが手に汗、足にアザを作りながら大変な苦労を重ねてきた結果ついにベリリウム銅の代替材として使える鉄銅合金の開発に成功いたしました。ハイサイクル金型材・MTA-FeX2の誕生です。

MTA-FeX2はHRC硬度31~34、熱伝導率は90W/mkという大変スペックの高い性能を持っています。開発当初の硬度はHRC24程度でしたが、改良を重ね2024年5月現在、HRC33程度まで改善されました。

MTA-FeX2はエジソンハードが可能です

MTA-FeX2の橙の特徴は窒化処理が可能という点です。エジソンハード処理することで、HRC60まで硬度が上がります。もちろん熱伝導はそのまま90Wを維持します。日本国内の部品メーカー数社様によるサンプル試験でも大変好評な結果となっております。

現在はサイズに限りがあり(最大100*200*50mmまで)ご迷惑をおかけしていますが、さらなる品質改善、サイズアップを目指し開発を続けております。上記提供可能なサイズであれば即日対応させて頂きますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

銅の高騰が止まらずベリリウム銅も益々高騰するのは確実です。今こそ代替材をご検討されてはいかがでしょうか。                   MTA合金は鉄から造る銅合金で世界のSGDsに貢献して参ります。

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