銅タングステン(銅タン)とは
タングステンに銅を混ぜた合金が銅タングステン(ドウタングステン)です。現場では銅タン(ドウタン)と呼ばれ、導電性と切削性が非常に良いため使い勝手が良く、超硬など難材料の切削用電極などに使われます。粉末冶金法を使った複雑な工程で製造する必要があり、さらにタングステンが高価なことから、高級銅合金として扱われています。
成分
Cu30―W(タングステン)70 が代表的です。
銅タングステン 性能
密度:14.2 硬度:HV180 熱膨張係数:9.6⁻⁶/k 熱伝導率:230W/m・k 導電率43%IACS
主な形状
丸棒/板
主な用途
電極 接点 放電加工電極
特徴
タングステンの融点は3380℃と金属では最も高く、比重も19.3と鉄の2.5倍で非常に硬い金属です。これに銅を10%―50%焼結合金させたのが銅タンです。そのため熱伝導が高く、硬度や耐摩耗性がありながら加工性も良く、特に耐熱性が優れ膨張係数も低いことから、型彫り放電加工や抵抗溶接の電極などで重宝されています。
MTA合金との代替性
MTA合金は銅タングステンの代替材として非常に適しています。銅と混ぜる金属を「タングステン」から「鉄」に変えることで似たような性能を出すことができるので、タングステンが鉄の数十倍もすることから、コストを大幅にダウン下げることが可能です。現在銅の成分を増量したMTA7030(Fe70-Cu30) やMTA4060(Fe40-Cu60) のサンプルワークを始めており、抵抗溶接や型彫り電極の電極としてお試し頂いております。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
(参考値)
MTA9100マルチプレート 性能
密度:7.9 硬度:HV230 熱膨張係数:11.2⁻⁶ 熱伝導率:74W/m・k 導電率18%IACS