京大発「夢の合金」

「青銅器時代から約5000年間、誰も成功しなかった夢の合金ができた

すごいニュースが飛び込んで来ました。京都大学を中心とした研究チームが、8種類の貴金属を混ぜたスーパー合金の開発に成功したというものです。その8貴金属とは「金」「銀」「白金」「ロジウム」「パラジウム」「イリジウム」「ルテニウム」「オスミウム」です。高校生の頃、すべての元素記号を必死に覚えたものですが、さすがにオスミウムあたりはすっかり忘れていました。いずれにしてもこれらの金属はとても希少性の高い分野の金属になりますので、お値段非常に気になります。使い道は触媒とのことで、大変大きな期待が持てる素晴らしい研究成果です。

ところで、この8種類の中には水と油のように決して混ざらない組み合わせがあるそうで、すべて合わせるのは困難と考えられてきたそうです。そうした不可能な組み合わせの8種類全部を「混ぜよう」と考えた北川宏教授の発想に恐れ入りました。

弊社のMTA合金はこれらの希少金属とは真逆の、鉄と銅という実に身近な金属同士の組み合わせですが、同じく水と油のように決して混ざらないと言われてきました。京大のスーパー合金も弊社のMTA合金も、過去の既成概念に捉われず、斬新でまったく新しい製造方法を模索することで、誕生した合金と言えるのではないでしょうか。今や私たちにとって当たり前の合金、ステンレスも開発されたのはわずか100年そこそこ前のことです。つまり、まだまだこれからも「夢の合金」は十分に誕生する可能性があるわけです。また、このニュースでもう1つ大事な点は、「量産化」に成功したということではないでしょうか。ラボや実験室レベルでいくら珍しい合金が誕生したとしても、その後量産できなくては実用できません。京大合金もMTA合金も量産化に成功しているからこそ、皆様に貢献できる金属といえるのではないでしょうか。

以下、毎日新聞より抜粋です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/93fc1fff090d23b53c1f0ed332737a1065aeb5f8

令和4年3月30日/毎日新聞

金や銀、白金(プラチナ)など貴金属と呼ばれる8種類の元素を全て混ぜた合金の開発に世界で初めて成功したと、京都大などの研究チームが米国化学会誌に発表した。水から電気分解で水素を製造する触媒として、既存の白金と比べ10倍以上の性能があるといい、研究チームは「青銅器時代から約5000年間、誰も成功しなかった夢の合金ができた。エネルギー問題の解決にもつながる可能性がある」と期待する。  8元素は他にパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム。いずれも希少で耐腐食性がある。水と油のように混ざらない組み合わせがあり、全て合わせるのは困難と考えられてきた。  京大理学研究科の北川宏教授(無機化学)らのチームは「非平衡化学的還元法」と呼ばれる手法で、8元素の金属イオンを均一に含む溶液を200度の還元剤に注ぎ、瞬間的に還元させてナノ(ナノは10億分の1)メートル規模の合金を作ることに成功した。高温・高圧の環境で大量生産する方法も見つけたという。  北川教授らのチームは2020年に金と銀、オスミウムを除いた白金族5元素の合金を開発している。白金族は触媒に多用されており、5元素の合金は水素発生の触媒に使われる白金の電極に比べ2倍の活性を示した。金と銀、オスミウムはそれぞれ単独では水素発生の触媒として機能しないが、これらも混ぜた8元素の合金は10倍以上の高活性を示した。企業と協力して量産化を進めるという。  水素は二酸化炭素を排出しない次世代エネルギーとして注目されている。北川教授は「金や銀を混ぜることで触媒としての性能が向上したのは驚きだ。今回は8元素を均一に混ぜたが、比率を変えることでより高い活性も期待できる」と話す。【千葉紀和】